2022年6月

2022年夏。コロナウイルス感染予防対策と共に酷暑に伴う熱中症対策もしなければならない過酷な毎日が続きます。
今回は、下肢の痙攣(ケイレン)の予防・対策についてお話します。

夏場と冬場には下肢の痙攣(ケイレン)による痛みや激痛が突然起こる事があります。

【原因】
・昼間の仕事量の過多・運動量の過多・水分摂取量の減少・代謝量(Na,Ka,Mg等の電解質)の乱れ・体温と室温の急激な温度差により生じます。
【予防と対策】
・過度で急激な仕事・運動を極力避けること。又、充分な身体の休息・睡眠を摂ること。
・夏場は下肢の急冷により、筋肉の拘縮(コウシュク)が起こるので、発汗する分量の電解質(塩分等)をこまめに補給すること。
・痙攣(ケイレン)を起こした際、安静にして痙攣(ケイレン)がおさまるまで我慢(数十秒~1分間)で大体は緩解(カンカイ)しますが、中には痙攣(ケイレン)部位に筋膜の破裂が稀に起こるので注意が必要です。この時はバンテージかそれに準じた圧迫帯を巻いて安静にして、翌日専門医院を受診して下さい。何もせず放置すると、筋肉が筋膜より逸脱(ヘルニア)して元には戻りません。

◆薬について
・現象時(発症時)は漢方薬の芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)が効果的です。継続して服用することを勧めます。
◆鍼灸治療について
・鍼灸治療はテクニックにも因りますが、発症時に素早く対処出来ます。
痙攣(ケイレン)が起こっている筋繊維に直刺し硬結している深さまで刺入し、数分止め置き(置鍼)、筋肉が緩んだら抜鍼(バッシン)すれば痙攣(ケイレン)は暫く起こりません。
・鍼灸施術の予防経穴(ケイケツ)は、下肢・膝の外側下、腓骨(ヒコツ)頭直下の陽陵泉(ヨウリョウセン)という経穴(ケイケツ)があります。この穴(ツボ)を刺激すると効果的です。手で押さえても響きます。(効き目があります)
予防穴としては、大腿四頭筋では梁丘穴(リョウキュウケツ)/膝を曲げて膝蓋骨(シツガイコツ)上縁外側指2横指上)、ハムストリング(下肢後面の筋肉)サイド中央の陰門穴(インモンケツ)等が効果的です。

最終更新:2022年6月10日