2023年12月

帯状疱疹と鍼灸治療

コロナが収束に向かっているようですが、精神的ストレスおよび肉体運動の低下が加わり、コロナ禍中は、高齢者に限らず若い人達にも免疫力の低下がみられ、若年層(20代から40歳代)にも帯状疱疹ヘルペスの発症が多く見られようになりました。

原因は子供の頃に罹った水疱瘡です。1度水疱瘡に罹ると治っても、体の背骨の神経の出るところ[交感神経節(前枝・後枝)]に抗体として生きていきます。(免疫学的記憶)これが[水疱瘡ウイルス]の[抗体]となり、大体記憶細胞は数年から何十年も生き続けるようです。

 

原因はとしては

 普段、体内に侵入している[水疱瘡ウイルス]は、免疫の力により抑えられていますが、ストレス、加齢、極度の疲労等により、空気中に浮遊している[水疱瘡ウイルス]と 再度、免疫が落ちた体内に侵入し神経節に隠れている水疱瘡ウイルスに対する記憶細胞と反応[抗原抗体反応]して潜んでいる身体の半身皮膚分節(デルマトーム]上に発赤、水膨れ、痛み、時として激痛が走る。これが帯状疱疹ヘルペス(おび状、たて状)の原因と現象です。

 

出現場所と症状は

出現する場所は全身の半身に出ます。帯状疱疹ヘルペス出現の前兆として、1週間または2週間前より日夜、かゆみ、重い痛み、チクチクした痛みが続きます。たまに前兆無しで発症する場合もあります。症状には多種多様で発症前夜には激痛が走ることもあり、朝起きチクチクすると思い、身体を見たら赤い発赤が、多く出ている場合もあり、2~5個ぐらい線状又は塊で発赤が出ている事もあります。触れば痒いかチクチクする痛みであれば、帯状疱疹ヘルペスです。高齢になれば身体の半身が発赤と水膨れで、首、背中、腰の横、前、臀部、下肢に帯状、縦状に出て、痒み及び激痛に見舞われる事もあります。

しかし、帯状疱疹ヘルペスは片側半身しか出ません。

 

出現する皮膚分節(デルマトーム)は

頸椎(C1からC8)神経

頚痛のC1からC3までは顔、頭に出ます、C4からは顔の下、鎖骨周りに出ます。

顔まわり、目の周り、頭上が帯状疱疹ヘルペスウイルスに侵されると、このウイルスは脳内を犯すことがあります。目の周りだと時として失明の恐れもあります。

※[帯状疱疹ヘルペスウイルス=水疱瘡ウイルス] [顔面神経麻痺ウイルス=単純ヘルペスウイルスもあります]

 

胸椎(T1からT12)神経

胸椎神経支配領域はTh1~12神経で腕、脇から12肋骨周りに発症します。

 

腰椎仙骨(L1からS4)

 主に臍(へそ)周りから骨盤、陰部周りに出ます。痛みは同様の経過です。 

又、L4,5,S1より下に出る場合は大腿、下肢にも同様に発赤、水膨れ、痛み、激痛が走ります。

 

鍼灸治療は安全で効果的な治療法

帯状疱疹ヘルペスに侵され発赤、水膨れ、痛みが出ている神経領域、皮膚分節(デルマートム)を確定し、ヘルペスの出ている脊柱椎体、外方で1つ上の神経節及び真横の神経節、皮膚分節前後に鍼を直刺(3cmから4cm)します。

その後、置き針15分または低周波電気鍼15分間の治療を行えば、1回の治療で痛みは半減します。週に2回程度の治療で早ければ2週間又は1ヶ月程度で寛解します。

 発症直後から、1周間以内が効果の出る治療日です、何故かといいますとウイルスが入り込み既存のウイルスと反応して皮膚分節内で抗原抗体反応を起こしている最中であります。   

鍼灸治療で免疫を上げ白血球の好中球の増加を計ればウイルスを撃退することができます。(鍼灸刺激による白血球左方移動)

好中球=好中球は血管外の感染巣で作用を発する。細菌を食べて死滅させる作用がある。

白血球=好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)単球等がある。

 

最終更新:2023年12月8日