東洋医学

東洋医学とは、一人一人の体質に合わせたオーダメイドの治療によりセルフヒーリングパワー(自然治癒力)を引き出す医学である。


東洋医学は数千年の歴史をもつ未病医学(予防医学)
※三大伝統医療:
東洋医学は万能!?
ストレス社会こそ東洋医学
鍼灸治療は美容にも良い!?
陰陽五行説とは・・・・。
経絡とは・・・・。


東洋医学は数千年の歴史をもつ未病医学(予防医学)

未病を治す(予防医学)という言葉が東洋医学にはあります。

東洋医学は三千年以上前から伝わる※1三大伝統医療の1つで、”経験医学”です。
数千年の歴史をもつ東洋思想(哲学)の1分野として発達してきた東洋医学は、色々な時代とともに、様々な疾病の経過やどういう人がなりやすいかなどのデータを集積した結果を系統化し、治療に応用する医学です。

東洋医学は、四診<望診(目で診察する)・聞診(耳で診断する)・問診(症状を聞く)・切診(体を触って診断する)>という術者の五感を駆使した独特な診断法(陰陽五行説)によって、一人一人の(あかし・診断)を決めます。
証とは病気の状態ではなく、体の状態をあらわしたものです。

四診によりが決まると、術者は、現在どのような病気にかかっているか、また将来どのような病気になりやすい体質かを、過去数千年のデータと照らし合わせて把握し、治療する事が出来ます。

治療はにのっとて行われるので、が改善することで、現在の症状・病がよくなり、将来かかるかもしれなかった病気を未然に防ぐこともできます。これを未病(未だ病気ではない病気)を治す(なおす)といいます。

<注釈>

※三大伝統医療:

イスラム教圏に伝わるイスラム医学、 インド地方に伝わるアーユルヴェーダ、 日本、韓国、中国で行われている東洋医学 の3つを三大伝統医療とよぶ。

東洋医学は万能!?

東洋医学(※2東洋思想)に基づいて行われる鍼灸(しんきゅう)治療や漢方治療は、単に痛みなどの症状を取り除くだけの治療法ではありません。

東洋医学での治療は本治法標治法の二本立てで行います。

本治法とは体全体の自然環境(体内環境<恒常性維持・ホメオスタシス>)を整える治療法で、標治法とは症状に対して部分的に治療する方法です。

本治法で体に障害をきたすほど弱っている体を調整して元気にしてから、標治法で症状を取り除いていきます。

治療後、体内環境が改善されます。
そのため、体全体がリフレッシュし、気が付けば、色んな症状(愁訴)が軽くなっています。

現在、病院・医院等でおこなわれている鍼灸治療の大半は注射のように行う、標治法のみで治療が行われています。
東洋医学に基づいて行われている鍼灸院での治療方法とは基本的に違います。

<注釈>

※2東洋思想について:

東洋思想では、すべての自然を”大宇宙”と考え、その中の一つにすぎない人間は”小宇宙”と規定しています。

この宇宙は、つねに一定の法則にしたがって循環しています。

この法則を「陰陽五行説」といいます。

東洋医学は体を自然ととらえるため、治療は身体の悪い環境を正常な状態(自然)に戻すようにします。

ストレス社会こそ東洋医学

現代のストレス社会では、多くの人が半病半健康人であるといわれています。

多くの人が、ストレスによって、つらい症状を一つや二つ抱えている事と思います。

そのような症状は病院・医院での検査では判明せず、治療方法がないのが現状です。しかし、東洋医学は原因が不明でも治療は可能です。

体の調子が悪いときは、何らかの原因で体のバランスを乱れて、恒常性を維持できなくなっている状態です。
バランスを整えて、体内環境を改善することで、からだの調子がよくなり、つらい症状も改善します。
しかも体内環境が元気になっているので、自然治癒能力(免疫)が上がり、心身を傷つける外力(ストレスやウイルスなど)に打ち勝つ力もつき、病気になりにくい体質になります。

鍼灸治療は美容にも良い!?

鍼灸(しんきゅう)治療をすると免疫力(抵抗力)向上及び、ホルモン分泌水分代謝新陳代謝能力等が向上する事が分かってきました。

それに伴い、体の若返り美肌にも効果があることが分かってきています。

良導絡

良導絡とは、内臓疾患や諸種の疾患をもつ患者の皮膚通電抵抗をノイロメーターにて測定すると、特定の電気の通り易い点(反応良導点)が点々と一定の型に並ぶことが発見されました。

(医学博士 中谷義雄 昭和25年 発見)

この電気が通り易い一連の系統を良導絡と名づけました。

主に、病気の変化が体表に現れる「電気の良く導かれる特定の部位の連絡の系統」をいいます。

すなわち、非生理的な病気の現象として表れる、よく反応する点(反応良導点)が機能的なつながりとして、特定の形に表れたものを良導絡といいます。

良導絡は交感神経の異常興奮によって現れる(病的現象)と解されており、異常良導絡上に適当な刺激を与えると、

その良導絡と関係する内臓及び各器官の疾患に治療効果が期待できます。

良導絡治療法とは、皮膚電気抵抗を指標として、自律神経(交感神経)系の興奮性を客観的にとらえ、

統計学的データを基にして全身的、局所的に興奮性の異常を生理的いわゆる健康人の興奮性に近づけようとする治療法である。

陰陽五行説とは・・・・。

陰陽五行説とは、簡単に説明しますと世の中には二元的要素((いん・よう)、)があります。
五行説というものは、木(もく)火(か)土(ど)金(こん)水(すい)の五つの行は順番に従うものとして考えられています。

「木は水によって生じ、火は木から生じ、土は火から生じ、金は土の中から生じ、水は金から生じる。」それを母子関係または相生(そうじょう)関係といいます。
また、互いに五行が敵対関係にあるとき、「木は土を克(こく)し、火は金を克し、土は水を克し、金は木を克し、水は火を克する。」これを相克関係といいます。このようなバランス状態が崩れた時、病的なカラダになります。

経絡とは・・・・。

身体には12本の「の通り道」(=けいらく<経絡>)足から上に向かって6本、手からカラダに向かって6本の経絡と身体の前後に2本の経絡、合せて14本の経絡があります。その経絡上には、およそ365穴(つぼ)があります。