Q&A


Q1.鍼灸治療って科学的にはどういう治療法?
Q2.鍼灸はくせにならない?
Q3.西洋医学とのちがいは?
Q4.鍼灸師ってどんな人がやっているの?


Q1. 鍼灸治療って科学的にはどういう治療法?

鍼「はり」灸「きゅう」治療はカラダに対して小さな傷(出血しない)、小さな火傷(跡が残りにくい)を作る侵外刺激(小さな傷害を作る刺激)を行う治療法です。

カラダが痛み・痒み刺激を感じれば、生体はその刺激に対してなんらかの神経・血管反応を起こします。

この反応を、東洋医学では治療に利用しています。
このときの体感刺激は、人間が”痛い”と感じるほどの不快な刺激を与える必要はありません。

痛いと気持ちいいとのちょうど中間ぐらいの刺激量(言葉で表すとすれば、”痛かゆい”ぐらいの刺激量)でも充分に治療に必要な反応が起こります。
つまり、鍼灸治療とは被験者が痛みとして感じないくらいの刺激を術者が人為的に被験者の身体に与えて、被験者自身の生体反応を促す治療法です。

本来、体内に放出されるべき、ホルモンや免疫細胞が、うまく放出されないため、身体が不調を訴えるのです。

鍼(はり)・灸(きゅう)で弱ったところ(経穴・穴)を刺激してやることで、生体反応が促され、ホルモンや免疫細胞がうまく放出されるために、身体が本来の力を取り戻し、体調がよくなるのです。鍼灸治療は自律神経系に作用し、自然治癒力を引き出す治療法であると言われる所以です。

具体的にいえば、人が風邪やアレルギーになるとき、ストレスや肉体疲労等の理由でその人の免疫能力(抵抗力)は落ちている状態です。
このような時に、鍼(はり)・灸(きゅう)で人為的に身体へ極々小さな傷を与えます。
すると、どんなに小さな傷でも傷があれば、好中球(免疫細胞の一種)が増加し、免疫能力(抵抗力)がUPします。
ストレス状態の時には、自分自身の力だけでは免疫能力(抵抗力)をあげることが困難です。
このような状態の身体に対して、鍼(はり)・灸(きゅう)の力をかりて免疫能力をあげることで、症状を改善することができるのです。

Q2. 鍼灸はくせにならない?

身体が良くなれば自然と治療からはなれます。

身体が疲れ、痛みを生じたときのみ、身体は治療を要求しますが、身体が正常な状態の時は鍼灸治療を受けようと要求しません。

鍼灸治療は身体のバランスを整える治療法で、自分自身の脳内から痛みを止めるホルモンや、身体の免疫を高める物質を出してくれるだけです。良くなれば体内からは余分な物資は出ません。これは身体には自身の体内環境を保とうとする作用(恒常性維持)が働きます。ですから癖にはなりません。

尚、身体が治療を受けたい気持ちの時はまだ正常な身体になっていないのだと思います。

Q3. 西洋医学とのちがいは?

西洋医学は検査データ重視で、検査結果により異常が見つかれば対応することが出来ますが、データ-に出ない症状に対してはあまり有効な治療法はありません。現代的に言えば西洋医学はデジタル方式です。

東洋医学は経験医学で異常の経絡・経穴を察知して、悪い所を包み込み調和して全身調整を行う治療法です。東洋医学はアナログ方式です。

例えば、西洋医学では、傷があればすべて治していこうとするために好中球上昇を体の中の小さな傷の発見のための検査に利用していますが、逆に、東洋医学では小さな傷を好中球上昇させるために利用しています。
東洋医学では一病息災って言葉があります。人は一つでも病気があったほうが、養生するので長生きするという考え方です。反対に、西洋医学では、少しでも病気があればたたいていくという考え方です。

また、西洋医学の治療の中心を担う薬は、現在ではほとんど合成物質で作られており、体外から本来自然の物ではない物質を注入するため、カラダが薬に順応しにくく、中毒性・習慣性があるのです。
しかし、鍼灸治療はカラダ本来もっている自然治癒能力を利用するので、中毒性・習慣性はありません。
それどころか、健康な時に施術すると病気の予防と健康維持に効果があります。

予防医学に関して言えば、西洋医学では健康検査で、早期発見するしか方法はありませんが、東洋医学では検査に発見する前に、病気にならない体を作ることができます。

Q4. 鍼灸師ってどんな人がやっているの?

鍼灸師とは、はり師ときゅう師の両方の資格を持っている人の事をいいます。

鍼灸師になるためには、厚生労働省指定の大学(4年)や短大(3年)の鍼灸学部か専門学校(3年)で、指定の単位(解剖学や生理学、臨床医学、東洋医学概論、鍼灸実技etc.)を修めてから、国家試験に合格したもののみが鍼灸師です。
つまり、鍼灸師とは厚生労働省が定める国家資格です。

ちなみに整体師・療術師・カイロプラクター等は国家資格ではありません。洋裁・和裁の先生・華道の先生や茶道の先生と同じような資格です。