私的解釈

東洋医学についての私的解釈


  1. 散逸構造と14経絡について
  2. 東洋医学は生活密着の自然医学?

Ⅰ散逸構造と14経絡について

はじめに

人体に流れている「経絡」と「散逸構造及びレイリー・ベナールの対流」には、体液循環における密接な関係があると私は思い、経絡との関係について私なりの考えを述べたいと思います。
東洋医学では病気の元は(気・血・水)の滞りだと考えられています。

東洋医学おいて人体には経絡という流れがあると考えられてます。一つは指先から体躯へ、体躯より指先への流れがあります。そして、二つ目は、足の趾先より頭部へ、頭部より趾先への経絡の流れがあります。身体が正常なときは気の流れ・血の流れ・水の流れが体内で規則正しい流れとなります。そして恒常性維持がはかるという大切な循環経路です。

これら経絡上の経穴(つぼ)を物理的熱侵害刺激をする事により、無秩序であった体液が、無秩序から規則正しい流れを生じ、体内で散逸構造が始まり、そしてレリー・ベナールの規則正しい対流、6角形を持つた対流が生命維持の役割をしてると考えました。

散逸構造(さんいつこうぞう)とは

生物には散逸構造という性質・作用が備わっています。
散逸構造とは、混沌(こんとん)と無秩序に支配される宇宙であっても、ある物理的条件が整えば秩序と構造を備わるということです。

外部環境に開放されていると、そこからのエネルギーの流入が”ゆらぎ(乱れ)”を発生させると、この”ゆらぎ”を自己強化させるプロセスが存在することが、その条件です。
例えば、台風などはこの例にあてはまります。熱帯性低気圧がどんどんと威力を増し台風へと進化していきます。秩序と構造が自然発生する現象を自己組織化と呼び、自己組織化できる存在を”散逸構造”と呼んでいます。

生物でおこる散逸構造は、液体様物質に熱刺激を加えると対流が起こりますが、その対流の道筋は一つではなく、6角形型の蜂の巣様構造の形をした対流がいくつも起こり、大きな対流となります。
人体の約60%は水でできています。人体も液体様物質であるともいえると思います。

※レイーリ・ベナールの対流とは

自然界には「 レイーリ・ベナールの対流」と言う現象があります。、容器の中に液体を入れ下または上から温めると、液体の移動が起こります。すなわちこれが対流です。大気中でも見られる現象です。

例として、円形の浅い容器の中では、いくつかの対流の柱ができ、その対流の柱が規則正しくそろって発生します。その結果、6角型の蜂の巣構造が出来ます。この規則的な空間的構造の対流を「レイーリ・ベナールの対流」といいます。

我々が住む地球上の空間、また生物内では代謝を行うことによりエネルギーと物質の絶え間ない流れ・循環が起こっています。それは規則正しい構造(散逸構造)をもった対流の循環です。
※(おわんの中に温かい味噌汁を入れるとおわんの真中からすじ状の液体が湧き上がってきますこのような対流の事です)

上記の事柄を人間に置き換え、人も1個の生物体と考える時。
東洋哲学を根本とする東洋医学は、身体に14本の経絡という経穴の通る川の流れがあると考えられています。この流れは身体の真中、前と後と手と足から発生する経絡が流れていると考えられています。

それらの流れ方は、手において、左と右の経絡の流れとして、指先から体躯に向かう3本の経絡、そして体躯から指先に向かう経絡の流れが3本考えられています。

足側にも、左と右の経絡として足趾(そくし・あしさき)から頭部に向かって3本の経絡、そして頭部から足趾(そくし)向かって3本の経絡の流れが考えられています。

故に、手と足の経絡の流れは6本、左右合わせて12経絡の流れがあり、身体の正中前後2経絡の流れを入れて、合計14経絡が流れていると考えられています。

これらの経絡の流れは散逸構造にとても良く似ていていると思います。

まとめ

これらのことを私考として、身体の経絡上の経穴(つぼ)に「鍼灸(はり・きゅう)」を以って治療(侵害刺激)することにより、局所的に炎症を起すことになります。この局所の炎症により局所熱が発生し流れ「レイーリ・ベナールの対流」が生じると思います。
この鍼(はり)・灸(きゅう)の物理的傷害によって経絡に温度差が生じ、身体全体の東洋医学の根源である「気・血・水」が対流・循環すると私は考えます。
この現象(対流)により、身体の中の不都合「気・血・水の滞り」が改善され常に正常状態(恒常性維持・ホメオタシス)に保つようになると思われます。

私なりに考えました事柄としては

身体の14経絡が流れている手とか足の経穴(つぼ)に「鍼灸(はり・きゅう)」治療を行なう事により、人間本来、生物体が持っている自浄作用(対流)が「鍼灸(はり・きゅう)」の刺激により熱が発生し、体内循環がスムーズに行なわれるようになり、故障前(未病)であれば、より正常になります。又、故障中(病・症状中)であれば身体の不具合の個所を正常状態に直していくのが、東洋医学の持つ、身体に対するやさしさ、いたわりであります。
何故ならば自分自身の身体に免疫力を増強さすことにより、病・症状を回復・修復さす事ができます。

これが東洋医学の真髄であると私は思うようになりました。

東洋医学は生活密着の自然医学?

現代の医学界は、西洋医学が中心です。東洋医学の世界はまだ々非科学的だと、思われています。

我々鍼灸師・漢方医が生業としています東洋思想(陰陽5行説・理論)に基づいた東洋医学は、東アジア特に、中国を中心とした日本・朝鮮半島で発達した経験医学です。東洋医学は別名、漢方医学とも言われています。

この東洋医学は、鍼(はり)灸(きゅう)漢方薬(湯液・とうえき)導引(どういん・あんま)等を総称して東洋医学と言っています。

漢方薬(湯液)においては、昨今、病医院等の医療機関で盛んに投薬されています。

本来もつ漢方薬の効力はその人の体質(熱・冷・湿・乾・肥・痩・元気度・老・若・男・女等)とか、四診を診て、(しょう)を決めて煎薬を飲むのが一番効果がでます。

又、急性期・中期・後期・により漢方薬の量や、漢方薬の種類も変えなければならない場合も多くあります。

漢方薬の世界では薬の効果、含まれている成分もある程度、科学的に解明されています。又病気、症状によりある程度使い分けられています。

しかし、現況では東洋医学の根本であるも決めないで、製薬会社のマニュアル通りに投薬されている事が、多く見られます。

鍼(はり)灸(きゅう)においては、漢方薬(湯液)より、依然として非科学的だと言われています。

経穴(つぼ)という漠然としたところに鍼灸(はり・きゅう)をして病気・症状が治る又は、改善するとは?一部の鍼灸(はり・きゅう)の愛好家の事だと思っていいる人たちも多く見られます。
しかし、今、欧州、米国では第2の医学「代替医学」として認められ、脚光をあびています。
この古代に発達した医学、東洋医学は数千年の永きに度り、試行錯誤(人体への治療行為)の経験により、完成された経験医学(実証医学)であります。

この、東洋思想の根源を成す方程式、陰陽5行説は、陰と陽そして5行(木・火・土・金・水)の運行により、この世の中の全ての現象は、5行により創生され生み出されていき、又は、支配されていると考えられている。・・・(森羅万象)
古来の人たちは、物事を決して神秘的に捉えてはいない。この世で起こる全ての自然現象を常に客観的的に捉えていました。

人間も自然と調和しないと、体内の和が乱れ病気・症状が表れて来ると診ていました。

陰陽5行はシャマーニズムから始まった兵法、、天文、医方等は、その時代々に起こった出来事を戦争、自然現象、疫病等は、古来、何千年にわたっての経験を培ってき完成されたのが、陰陽5行説であります。これらの五行の方程式(法則)に乗っ取て、東洋人は生活をしてきました。

暦、神仏の行事、東洋思想の根源である、陰陽5行の方程式は今後も、覆す事はできないと思います。

今ある、人間の病・症状は自然の摂理に反した時に起こりえるのであり、決して病気が悪くはありません。・・・(気血水)

自分の育った環境・仕事・食事・睡眠・遺伝的要素等により健康な人、又、病気に成り易い人に分かれます。病気にならないようにするには、陰陽五行の方程式に逆らわないように生活すればいいのですが。・・・(内因、外因、不内外因)