生理痛


概念
原因
症状
鍼灸治療


概念

生理(月経)時の随伴症状として障害、特に痛み(疼痛)が強く日常の作業を妨げるような痛みを生理痛(月経痛)という。
※同じように、月経前に伴う症状として、月経前症候群があります。病因論は月経痛とよく似ていて、月経前症候群は経産婦に多く、月経痛は未産婦に多いと言われている。(月経前症候群はうつ型が多く、イライラ、非行、物忘れ、浮腫等が見られると言われています。)

 

原因

  1. 機能性月経痛・・・子宮発育不全などのために子宮が小さく、または子宮筋の発育が不良であるために伸展性に乏しく、月経血が一時に貯留するために子宮壁が強く拡張されるために痛みが出現する症状と言われています。
  2. 機器的月経痛・・・子宮口の狭小、子宮口の癒着、頸菅の狭窄、子宮の強い前屈、後屈、子宮内腫瘍等の場合に出血が妨げられ起こります。これらの症状は、全く機器的な血液流出障害により発症する症状と言われています。
  3. 神経性月経痛・・・神経質、心身症、自律神経失調症等、感受性の高い方に多く見られる症状です。初潮時の頃に受けた性的未熟、無知による月経来潮に対する恐怖心等が引き金となる症状と言われています。
  4. 膜様性月経痛・・・月経時に剥離した子宮内膜は、細片となり血液と共に子宮外へ流出しますが、時として内膜が融解されないで大きな片となりそのまま排出されることがありその時に、強い痛みとなり下腹部痛が起きる症状と言われています。
  5. 炎症性月経痛・・・子宮内膜炎、子宮筋層附属器官の炎症や、卵巣、卵管の濃腫骨盤内宮の腹膜炎、結合織炎等により発症する症状を言われていま。
  6. 腫瘍性月経痛・・・子宮筋腫・子宮内腫瘍、関連附属器腫瘍、子宮内膜炎等により引き起こされる症状と言われています。

 

症状

疼痛は下腹部が最も多く、ついで腰痛、頭痛、肩こり、性交痛、等の痛みが多く出現し、疼痛以外に吐き気、動悸、不正出血、倦怠等の症状が見られます。

 

鍼灸治療

止痛、除痛としての鍼灸治療はきわめて効果的です。定期的治療を行えば、予防効果は大です。使用する経絡は下腹部を走行する経絡、背部を走行する経絡の経穴を使用する。
太陰脾経・陽明胃経・任脈・太陽膀胱経を切経し下記の経穴を選別して治療します。

 

・下肢(◎三陰交、◎血海、○梁丘)

・腹部(◎中極、○関元、○水道、○中かん)

・背部(○膈兪、◎次りょう、大腸兪)

 

☆ 本症に対する当院での治療についてはこちらを参照下さい