腰痛症
腰痛症の概念
腰痛症の起こる主な原因
腰を支えている主な筋肉
急性腰痛と慢性腰痛
腰痛と坐骨神経痛
お年寄りに多い腰痛の原因
腰痛の概念
腰痛症の多くは、年齢とは無関係です。腰痛はお年よりだけの病気ではありません。腰痛症発症の年齢は、一般に30歳台から50歳前後の人たちに多く見られます。ほとんどの腰痛の原因は、はっきりしていません。
腰痛の原因で多いのは、※1腰椎椎間板ヘルニアからくる痛みです。人は、直立で歩くようになったために、腰に体重がかかるようになり、腰痛になる定めの動物だと言われています。
又、不慣れな動作、激しい運動、仕事時に起こる急性腰痛は、椎体、椎骨、肋骨などを支え繋ぎとめている短い細い筋や腱(回旋筋)の痙攣、または軽い断裂により、椎体・椎骨にわずかなずれや亜脱臼が生じ、周りの筋肉が自動的に保護し動きの停止を行います。そのために周りの筋肉が硬くなり、そのため可動制限が起こり、そして血液循環が悪くなるために痛みが起こると考えられてます。(浮腫)
最近、若い学生(中学・高校・大学)の腰痛が多くみられます。
原因として考えられるのは、幼児期・小学生時代の運動不足又は、一方的なスポーツによる、偏った筋肉、骨の成長等が考えられます。幼児期・小学生には均等に体の筋肉を使用することが大事だと思われます。
腰痛症の起こる主な原因
- 腰椎関連疾患
※1腰椎椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、腰椎分離すべり症、腰椎捻挫・筋筋膜性(ぎっくり腰・急性腰痛)腰椎脊柱管狭窄症、腰椎圧迫骨折、側弯症等 - 骨炎症・骨髄性腫瘍疾患
化膿性脊椎症(骨髄にウイルス進入)、原発・転移性脊椎腫瘍等 - 内臓疾患
胃潰瘍・膵臓炎・胆嚢炎・便秘・腸炎・膀胱炎・女性器疾患等があります。又膵・胆・胃・ 膀胱・大腸癌など悪性腫瘍によるもの。又、腎炎‐尿路結石等 - 内科的愁訴
食欲不振、胃痛、胃痙攣、悪心、嘔吐感、胃・十二指腸潰瘍等
腰を支えている主な筋肉
背部の筋肉
- 脊柱起立筋
- 腸肋筋
- 最腸筋
- 棘筋
- 半棘筋
- 多裂筋
- 短い筋 (横突間筋・棘間筋・回旋筋)
腹部骨盤の筋肉
- 腹直筋
- 大腰筋(小腰筋)・・・腸腰筋
- 腰方形筋
- 腸骨筋・・・腸腰筋
- 殿筋(大殿筋・中殿筋・小殿筋)
急性腰痛と慢性腰痛
普通、腰痛の発生には、急性腰痛と慢性腰痛があります。
急性腰痛:
体か疲れていて、不自然な姿勢で物を持とうとした時.又不自然な姿勢で重いものを持った時、急に振り向いた時、くしゃみをした時など、ある日突然に、急に腰が痛くなり動けなくなる症状を言います。
慢性腰痛:
腰椎の変形・または脊柱に沿った筋肉の左右のバランスの悪い人が主です。
事務時間が長い人、妊娠・出産後、お腹の周りの手術をした人(おなかの筋肉が落ちている)、いつもやわらかい布団で寝ている人、いつも重いものを持っ仕事をする人、いつも姿勢が悪い人、最近急に肥りだした人等で、朝起きるとき腰が重かったり、痛かったりして、起きだしから少しずつ動き始めると、よくなるような腰痛が特徴的です。
腰痛と坐骨神経痛:
腰痛と坐骨神経痛の主な原因は※1椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎分離症がほとんどを占めるといわれますが、肉体労働のし過ぎ、過激な運動により、脊椎を支えている脊柱起立筋が過度に緊張をして、殿筋及び下肢の筋肉に影響を及ぼし、腰痛、坐骨神経痛が発生します。
お年寄り多い腰痛:
背中・腰の筋肉、お腹の筋肉が衰えたため起きる腰痛と、加齢による変形性腰椎症による腰痛と、腰椎の中にある管が変形する脊柱管狭窄症などが主です。
他に腫瘍や癌などの 転移による腰痛なども見られます。
ヘルニアとは椎体と椎体の間にあるクッションの役目をしている椎間円板が何らかの衝撃または圧迫により飛び出す(逸脱)ことをいいます。
椎間円板ヘルニアになるとヘルニアが起きた神経根以下のレベルに痛みや痺れが起こります。
たとえば腰椎の4と5番の間とか、腰椎の5番と仙骨の1番の間にヘルニアが出れば、腿の裏や、膝から下に痛みや痺れがでます。腰椎の2番と3番の問にヘルニアが出れば大腿前面に痛みや痺れが出ます。